週刊文春に天下りを報じられた目白学園による弁明

週刊文春2月16日号で天下りを報じられた目白学園が、自校ウェブサイトにて報道を否定するコメントを公開しました。

週刊文春(2017年2月16日号)の記事について

目白学園の学生・生徒、保護者、卒業生、教職員など関係者の皆様へ

本日2月9日発売の『週刊文春』(2017年2月16日号)に「早稲田だけじゃない/違法天下りの植民地となった私大」のタイトルで目白学園についての記事(1頁弱)が掲載されましたが、本学園では記事タイトルにあるような「違法天下り」の事実は全くありません。同誌の取材には、文書を含め誠実に回答してまいりましたが、事実を誤解させるような書きぶりが随所に見られます。しかし、事情が明らかでないまま不安を抱かれることもあるかと思われますので、取り急ぎ記事の論点に沿ってご説明いたします。

第一に、同記事中で「学校関係者が憤る」として「わずかの間に六人ですよ!文科省の元キャリア官僚が理事長になってから”身内”を次々と全国から呼び寄せたのです。」と書かれています。しかし、この人数は同時に在籍したものではなく、このうち現在本学園に在籍しているものは4人で、2人は既に退職しています。
このように複数の文部科学省経験者が在籍するに至ったのは、記事に「創業家理事長の不祥事で経営が混乱し、建て直しのため理事長についたのが、遠縁に当たる旧文部省体育局長の逸見博昌氏」とあるように、逸見氏は、辞任せざるを得なくなった創業家理事長自らの強い要請を受けて学園の理事長に就任しました。その際、創業家理事長を支えていた主要な役職員六人が次々と学園を去った状況であったため、学園の混乱を乗り切り、学園の運営を切れ目なく行うためのいわば臨時的対応としてこのような人事を行ったものです。
記事後半で私が、当時の状況を「”助さん格さん”がいないと仕事ができませんからね。今問題となっている天下りとは全く違いますよ」と述べたとされているのは、当時の逸見理事長等がそれぞれの方の人物、識見を見極め、本学園に必要な方との認識の下に直接ご本人に本学園への就任を要請して実現したもので、新聞報道等で伝えられる文部科学省の関与や文部省人事課OBの脱法的斡旋などは一切なかったことを述べたものです。
なお、私について元大臣官房審議官とされていますが、逸見理事長が私への就任を要請された理由は、私の前職が国立教育政策研究所長で、教育政策の研究を総括する仕事をしており、傍ら東京大学教育学部などで講師を務め、教育法に関する書籍も著しています。こうした教育面での経歴を評価していただいて逸見理事長から学園の専務理事への就任を要請されたと聞いており、逸見理事長の辞任に伴い理事会の審議を経て理事長に就任しております。
なお、このような経緯から、「文春」への回答で、文科省経験者の人数について、今後減少する方向にあることを述べたにもかかわらずそこは無視され、文書回答で「複数のプロパー職員が評議員の一翼を担うなど、その登用態勢は進行中であり、プロパー職員が執行部から排除されているわけでは決してない」と述べたにもかかわらず、記事では「プロパー職員が駄目というわけではない」などと誤解を生む記述になっているのは残念です。
また、記事では、逸見理事長が文科省の「元キャリア官僚」であることが強調され、かつ創業家の「遠縁」と書かれていますが、同氏は、昭和五十四年まで本学園の理事長を務められた床次徳二氏の娘婿であり、平成六年から理事長就任の平成二十三年まで、十七年間にわたって本学園の理事を務められた「創業者一族」です。

第二に、記事では「中には旧文部省で大学・大学院担当を十数年務め、まさに所管である目白大学に幹部職員として天下りしたツワモノもいる」と述べています。これは現在の大学事務局長を指しているものと思われます。しかし、同氏が文科省で目白学園のような「私学」を担当する部局に在籍したことはなく、文科省で「国立大学・大学院担当」を務めたのは、本学園に採用された2012年の十二年前の2001年までです。同氏は、その後は他の業務に就き、本学園に採用される直前は国立大学法人群馬大学理事・事務局長でした。同氏は、国立大学関連業務を離れて十数年後に、一貫して目白学園に全く係わりのない業務を経て本学園に採用されたものです。このことも面談取材、文書取材への回答でも述べましたが、記事では何の説明もないまま無視をしています。

第三に、「この人物の人事発令書はなんと文科省在職期間中にもかかわらず、理事長名で正式に出されていた」と述べられていますが、その経緯は下記のとおりです。
同氏は前述のとおり、2012年3月に国立大学法人を退職し、1か月後の5月に本学園岩槻キャンパス担当事務局長に採用されましたが、3月の時点で学内のスタッフネットに「5月1日付けで就任」のお知らせが掲載されました。この当時の責任者であった専務理事(現在は退職)に事情を確認したところ、「学内の事務を円滑に進める意図で、本人の承諾前(承諾を得たのは国家公務員退職後の4月6日)であったが、あくまで『予定通告』の意味で掲載した。現時点で考えれば、本人にも迷惑をかけたことになり適切ではなかった」とのことでした。事務局長に確認したところでは、「専務理事から事前の打診はあったが、国家公務員法の規定があるので、在職中は承諾回答できない」旨を伝えていたとのことでした。
このように、本人の承諾なく「予定人事」を本人の退職前に掲示したことは、当時の学園側の対応に不適切な点があり、そのことを文書取材に対する回答で述べたものです。目白学園側の事務に不適切な点があったことは否めませんが、本人は承知していないことであり違法といえるものではありません。

第四に、「文科省出身者の役員は週三~四日勤務で、少なくても一千万円以上を受け取っているとみられます(前出・学校関係者)」とありますが、この点も取材で説明したにもかかわらず、「学校関係者」なる者の発言のみが極めて恣意的に述べられています。
本学園では、前出の逸見理事長の就任以後、常勤の理事・理事長の勤務日数を3~4日に調整し(実際は、会議や諸行事で4~5日出勤することも珍しくない)、その状況に応じて報酬を減額する方式を新たに取り入れました。この減額した資金は「特別教育充実支援事業費」として学園の予算に計上し、年度途中で新たに生じた教育・研究活動に機動的に対応する資金としてきました。これまでも、国家試験合格率を大きく向上させた学科への援助、課外活動で好成績をあげたクラブの褒賞、学年途中での資格取得奨学金制度の発足資金などに充てられています。この措置で減額した後の報酬は役員によって出勤日数が異なるため一律ではありませんが、一千万円を超える者も下回る者もおり、2人の常務理事の報酬は同世代の本学園の大学教授の平均的な額を下回るものになっています。

第五に、「現在は運営に関与していない」という「創業家の一人も懸念する」発言として「私たちは私学の自主独立を尊重する気風を大切にしたので学園の経営に政治家や政府高官を関与させることは避けてきました」と述べたことが書かれています。
まず事実関係として、不祥事で辞任された当時の「創業家理事長」は、現在「学事顧問」として、学園から報酬を得るとともに学内に専用執務室を持ち、学長の教学上の諮問に応える役職にあります。また本学園を代表して日本私立短期大学協会に参加しておられます。
また、「創業家理事長」が理事長・大学学長・短大学長(当時は一人で主要な三役職を兼務していた。現在は、理事長、大学学長、短大学長はそれぞれ専任者が就任)の当時にも同理事長が招聘した文部省(当時)出身の役員が在籍していました。また、同氏が理事長になる前の時代の理事長は、国務大臣も務めた自由民主党の国会議員であった方(創業家一族)が16年にわたって就任して、本学園が財政的に厳しかった時代を乗り切っています。
与野党の政治家が私学経営に係わる例は他にもあり、少なくとも創業家の一人の方が述べたとされることは明らかに事実に反しております。また、私が理事長でいる間は政治家に本学園の経営に関与していただくつもりは全くないことを申し上げておきます。

新聞報道によれば、いわゆる天下り問題に対して文部科学省の調査が行われているとのことであり、いずれその中で明らかにされると思われますが、取り急ぎ現時点における理事長としての見解及び前後の事情を述べました。
本学園では、大学、短大、高・中学校の各校で、新学部、新学科の設置などを含む大改革に両学長、校長を先頭に取り組んでおり、新生目白学園をめざして努力が傾注されているところです。今後とも本学園を温かくお見守りいただき、ご支援、ご協力を賜りますようお願い申し上げます。

2017年2月9日

学校法人目白学園
理事長 尾﨑 春樹

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大学職員の出世において教学・法人のどちらが有利かという考察

組織の中で働く者にとって、出世とは日々意識せざるをえないものでしょう。それは大学職員とて例外ではありません。「俺は出世には興味はないよ」などと出世第一主義に鼻白んでみても、自分だけいつまでも肩書が付かないのは寂しいものです。

大学事務職員として一定以上の出世を狙っていくのであれば、大学教員や学生との関わりが多い教学部門よりも、人事や経理をはじめとする法人部門で仕事に励むのが効率的です。
もちろん、教学であれ法人であれ出世のための努力は必要ですし、日々の頑張りが認められれば教学部門でも出世は可能です。大学によっては慣例的に教学事務のトップを事務局長へと昇格させているケースもあるでしょう。また、学長が理事長を兼ねる一長体制の大学においては、少し状況が異なるかもしれません。
しかし、一般論として教学と法人のどちらが出世において有利かといえば、それはやはり法人部門のほうがベターであろうという理由がいくつもあります。

《理由1》事務職員の人事は法人に決定権がある

法人部門のほうが出世に有利である第一の理由は、事務職員のプロモーションは法人に決定権があるということです。その一方、教員人事は教学に決定権があり、法人と教学はそれぞれの人事権に対して不可侵の関係にあります。
このため、教学部門で働く事務職員がいかに教員から評価されようと、教員は当該職員のプロモーションに関わることができません。また、教員からの評価と上司からの評価は一致しない(場合によっては正反対もありうる)ため、よかれと思って頑張っているわりには評価につながらないというケースも少なくありません。

《理由2》教学は職員数に対してポストが少ない

大学のユニバーサル化(大学全入時代)の影響から、昨今では学生サポート系の部署がどの大学でも増えています。このため、ひと昔前よりも教学部署が増えつつあります。
しかしながら、伝統的な大学組織における教学部署と言えば、その筆頭格は教務部と学生部でしょう。極端な言い方をすれば、教学部門には教務部と学生部さえあれば最低限の業務をこなせます。
それに対して法人部門は、経営管理・人事・財務・調達・総務・システム・施設・秘書など、業務内容ごとに組織が細分化されています。部署数が多いということは、管理職ポストも多いということです。
そして、法人部門のどの部署よりも、教務部と学生部は職員数が多いのです。教学部門は職員数が多いわりにポストが少ないと言えます。(ただし、冒頭で述べたとおり、教学部門の部署が増える傾向にはあります)

《理由3》教学に関する知識やスキルをアピールする機会が少ない

教学部門の業務は大学運営において非常に重要です。教務部が無ければ授業を行う教室の割り当てもできませんし、時間割を組むことも定期試験を実施することもできません。学生部が無ければ学籍を管理することもできません(学籍を管理できなければ授業料の集金もできません)。
しかしながら、法人にとっての最大の関心事項は、学生募集と当面の資金繰りです。これらを軸に経営計画を策定し、収支の帳尻を合わせるのが法人の役割とも言えるでしょう。教学部署の業務に関しては、事務に停滞がなければ十分だという程度の認識です。このため、教学部門で知識やスキルを蓄えても、法人上層部にアピールする機会が少ないのです。
教学部門で人事評価を上げるならば、補助金要件に精通することが一つのポイントになるでしょう。上述のとおり資金繰りは法人にとって最大の関心事ですから、収入増への貢献は高く評価されるでしょう。

《理由4》法人の業務は成果につなげやすい

教授会は教学部門にとって最も重要な会議の一つです。大学は学部自治(学部のことは学部で判断する)の文化が根強いため、教授会の承認が得られなければ、一歩たりとも前へ進むことができません。専任教員が集まって議論する場は教授会しかなく、おそらくどこの大学でも月1回の開催ペースとなっています(しかも夏休み期間は休会です)。
このように、教学部門の意思決定機関である教授会は開催頻度が多くないため、必然的に即断即決が困難となります。また、揉めに揉めた挙句、結果的に何も決まらないということも日常茶飯事です。結論が年単位で先送りされることも珍しくありません。
意思決定に時間がかかり、徒労に終わることもありうる教学に比べ、法人の業務は根回しを怠らなければ、トントン拍子に物事が進みます。短期間で成果につなげやすいため、人事評価でも有利でしょう。

以上、大学事務職員の出世は法人部門が有利であろう理由を4点ほど述べました。もちろん、部署による有利不利だけがクリティカルな影響力を持つとは考えていませんが、10年先、20年先のポストを考えていくうえでは、法人と教学のどちらに身を置くかは、とても重要な分岐点になるでしょう。

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法政大学職員の仕事紹介 ~読売新聞 就活ON!より~

読売新聞の人気コーナー「就活ON!グッジョブ」(6月14日朝刊号)に大学職員の仕事が掲載されておりましたので、適宜説明を加えつつ内容のご紹介をさせていただこうと思います。

今回記事で紹介されていたのは法政大学入試課の鷹觜美佳さん。現在は入試広報業務をご担当されており、オープンキャンパスの運営や各地の高校・予備校で開催される進学懇談会への対応にあたられているとのこと。大学の中では最も出張の多い部署でもありましょう。
ちなみに、入試広報というのは出願者増加を企図しての営業活動のことであり、出願時期の早い指定校推薦やAO入試などを見据えると、GW明け頃から各大学の競争の火蓋は切られているというのが・・・昨今の状況です。

ちなみに、多忙度70%というある一日の過ごし方は以下のとおり。

5:40 起床
6:40 自宅を出る
8:10 職場に到着
9:00 受験生向け雑誌への広告チェック
10:00 オープンキャンパスに向けた打ち合わせ
12:00 上司とランチ
13:00 都内の高校での進学懇談会に出席
15:00 大学に戻り進学懇談会の報告書を作成
15:30 オープンキャンパスに向けた打ち合わせ
16:30 入試広報業務に関する研修資料の作成
18:00 職場を出る⇒友人と夕食
22:00 帰宅
23:30 就寝

現在キャリア2年目の鷹觜さんも、入試課での配属当初の4月の進学相談会では、「東京都内で開かれた相談会に出席し、法政大学が実施する特別入試について高校生から尋ねられたが、何も知らずに頭が真っ白になった」とのこと。
わたし自身も入試相談会での現場対応を手伝うことがあるのですが、大学に関する知識があろうが無かろうが、高校生・保護者からの全方位的な質問に応じなければなりません。もちろん入試制度に関する相談が中心となりますが、最近では各大学とも入試方式や日程・会場を増やしているので、情報をアップデートしておかなければ誤った内容を案内してしまうことになりかねません。入試情報以外にも、カリキュラム(教育課程)に関することや、留学制度のこと、奨学金や学生寮の応募倍率など、内容は大変多岐にわたります。これらすべて、大学内では担当部署が異なるため、キャリアの浅い事務職員にとっては、ほとんど丸腰で戦場に飛び込むような感覚でありましょう。

そんな鷹觜さんですが、就職活動にはかなりのご苦労をされたそうです。大学ではフランス語を学び、ベルギーに留学。「文化振興の仕事をしたい」と、ホール運営会社など約40社に応募したが内定に至らなかったそう。そして、自分自身の経験を活かして留学する学生をサポートする仕事がしたいと、大学職員に志望を変更し、ついに第一志望の法政大学から初の内定を得られたとのこと。
実は鷹觜さん、出身大学のホームページでも紹介されているほど優秀な学生さんだったようです。大学業界の「中の人」は基本的に勉強熱心な学生に好感を持ちますから、とりわけ新卒採用の場合、成績は重要な判断材料になると思われます。面接会場での口八丁手八丁だけでは、学生数トップ10の法政大学への就職は厳しいかもしれませんね。

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大学事務局の組織と業務 ~獨協大学の事例を中心に~

大学事務局の組織とその業務は、大学業界未経験者にとっては馴染みの薄いものかと思います。たとえば、奨学金の受付事務を学生部が行っていることは事務分掌としては一般的ですが、ご自身で実際に奨学金を利用したことのない方にとっては、エッと思うことかもしれません。

そこで今回、獨協大学のサイトに部署名及びその説明、さらに、事務部署ごとの専任職員数が掲載されておりましたので、引用を中心に、適宜説明を加えていきたいと思います。(カッコ内は専任職員数です)

獨協大学 事務局業務概要 (2016 年4月 1 日現在、各業務は例示)
総合企画部 総合企画課(8名)
大学の基本計画に係わる立案・調査・資料収集、周年事業、官公庁・私立大学連盟その他関係機関に係わる調査報告および視察、大学広報(大学ホームページ、大学ニュース等)、父母懇談会等に係わる業務
⇒大学事務局のコントロールタワーであり企画系「何でも屋」。獨協大学は広報部が独立していないようですが、ホームページ管理は通常は広報部、また、父母懇談会は学友部や総務部が一般的に担当します。

自己点検・評価室 事務課(2名)
自己点検・評価、機関別認証評価、FD活動、授業評価アンケート、教育環境改善アンケートに係わる業務
⇒期間別認証評価は法令で義務付けられた外部評価であり、7年に1度実施しなくてはなりません。それへの対応のために専従部署を設置しつつ、認証評価の実施年度以外はFD活動(ファカルティ・ディベロップメント)を担当しているようです。

総務部 総務課(3名)+部長1、次長1
大学行事の企画運営、教授会等の庶務、文書・諸規程に係わる管理、外来者の受付渉外に係わる業務
⇒大学行事の企画運営とは、おそらく入学式や卒業式のことでしょう。どこの大学にも分厚い規則集(学則とか、委員会ごとの規程とかいろいろ)がありますが、その管理も行っているようです。部長・次長を除けば3名のようですが、この人数で教授会まで回しているのは驚きです。

総務部 人事課(7名)
教職員の採用・異動・研修および給与・福利厚生に係わる業務
⇒まさに部署名どおりの業務内容です。なお、事務的に教員の採用等も行っていますが、教員の人事権は実質的に教学組織(学部等)が持つのが一般的です。

経理部 会計課(4名)+部長1、次長1
大学資金・財務管理、予算・決算業務、授業料納付、金銭の出納、寄付金に係わる業務
⇒まさに部署名どおりの業務内容です。

施設事業部 施設事業課(5名)+部長1
施設設備の計画立案、キャンパス・マスタープランの策定に係わる業務。大学の資産管理、機器備品・用品の購入および管理、施設設備の維持管理に係わる業務
⇒民間企業では総務部が担当するような仕事ですが、大学にとって施設は重要な学生サービスの一部であるため、専従部署が置かれるのが一般的です。また、伝統校では校舎の老朽化や耐震補強なども重要な課題です。

施設事業部 情報基盤整備課(5名)
情報ネットワークおよび事務システムの情報基盤の構築。情報セキュリティ、情報事務システムのサポートおよび管理
⇒まさに部署名どおりの業務内容です。おそらく技術的にはIT企業から派遣されたSEさんに依存しています。

教務部 教務課(29名)
学部学生の履修登録・授業・試験・成績に係わる庶務、学籍に係わる庶務、各種講座の庶務、また、教職、司書・司書教諭の履修および免許取得に係わる業務
⇒学生の授業・試験などを一手に引き受ける部署で、どの大学でも最も多くの人数を充てています。履修登録を行う4月や、定期試験の時期、卒業判定の時期などが繁忙期となります。

大学院事務室 事務課(4名)+部長1
大学院生、法科大学院生の履修登録・授業・試験・成績に係わる業務
⇒業務内容は教務課と同じです。

学生部 学生課(7名)
学生証・学割証・住所・奨学金等の学生生活全般に係わる業務
学生部 カウンセリング・センター
学生のカウンセリング、ワークショップの企画・実施に係わる業務
学生部 敬和館
敬和館(女子寮)の運営・管理に係わる業務
⇒学籍の管理や奨学金事務が主業務となります。また、学生からのよろず相談を受け付けるのも学生部の仕事です。

入試部 入試課(9名)
入試および関連業務(入試広報、入試説明会・高校訪問)の企画・実施、入試資料の整理等に係わる業務
⇒まさに部署名どおりの業務内容です。2月の入試本番時期以外は、高校訪問や入試説明会などPR活動を行っています。

保健センター 事務課(5名)
教職員・学生の健康管理および救急処置に係わる業務
⇒まさに部署名どおりの業務内容です。事務組織の規模のわりに人数が多いのは、もしかしたら看護師が含まれているからかもしれません。

学友会 総務部長室事務課(4名)
学生の課外活動に対する支援業務(学内利用の受付・相談・表彰等)
⇒クラブ・サークル活動や学園祭などのサポートを行うための部署かと思われます。このための専従部署を設けている点は特徴的で、他大学では学生部や総務部の担当であることが一般的です。

キャリアセンター 事務課(8名)+次長1
企業等の求人情報・OB等からの情報収集と提供・管理、就職相談やガイダンス、各種講座の実施に係わる業務
⇒いわゆる就職課であり、その名のとおりの業務内容です。

図書館 事務課(17名)+次長1
図書・視聴覚資料の購入・保管・利用に係わる業務、図書情報システムの維持管理・利用者サービスに係わる業務
⇒まさに部署名どおりの業務内容です。専任職員が管理職を含めて18名もいるというのは、この規模の大学としては非常に多いように感じます。あまり業務委託を活用していないのかもしれません。

教育研究支援センター 教育研究支援課(7名)+次長1
学習支援システムの運用、外国語教育支援に関する業務。各種講座の運営に関する業務。
⇒学生の「学び」をサポートするための部署で、どこの大学でも近年力を入れてきています。

教育研究支援センター 教育研究推進課(6名)
本学研究所の運営事務、研究支援。教育および研究支援にかかわる情報収集業務。
⇒外部研究資金の申請や、研究費の管理などが中心かと思われます。

国際交流センター 事務課(5名)
国際交流協定校の開拓・協定の変更、学生・教員交流の庶務、外国人客員教員受入れ、国際共同研究の庶務、インターナショナルフォーラムの実施に係わる業務
⇒まさに部署名どおりの業務内容です。

エクステンションセンター 事務課(5名)
オープンカレッジの企画立案・実施、各種講座・オープンスクールをはじめとする生涯学習・授業外学習の企画立案・実施に係わる業務
⇒「エクステンションセンター」とは、大学が運営するカルチャーセンターのようなものです。大学にとっては副収入源として期待したいところですが、実際のところ収支の帳尻を合わせるだけでも大変です。

以上、獨協大学の事例を参考に大学事務組織に関する説明を加えてきましたが、獨協大学は専任職員数が151名(2016年5月時点)で、私立大学の中では中堅どころです。事務職員の人数が限られているため、あまり部署を細分化できないという事情がうかがえます。小規模の大学ではその傾向が一層強いでしょうし、逆に大手の大学では広報や寄付金に専従の部署が置かれます。

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朝日新聞出版「大学ランキング」の事務職員データの活用と注意点

大学特集はどこの出版社でも定番の人気記事のようで、たとえば、朝日新聞の「大学ランキング」、読売の「大学の実力」、東洋経済の「本当に強い大学」、週刊ダイヤモンドも同様の特集を組んでおります。
その中で、大学業界志望者向けのデータを掲載しているのが「大学ランキング」であり、事務職員の採用数や倍率、自校出身者比率などのデータを提供しています。
そこで今回は、朝日新聞出版「大学ランキング2016」の情報をもとに、大学事務職員の採用に関するデータの考察と、数字に関する留意点などをまとめてみたいと思います。

大学事務職員の採用倍率(新卒)

1.京都産業大学 128.9倍

2.法政大学 120.0倍

3.青山学院大学 97.0倍

4.中央大学 83.5倍

5.東京理科大学 80.8倍
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10.中京大学 62.2倍
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20.順天堂大学、立正大学 29.0倍
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30.岩手大学 22.5倍
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40.愛知学院大学 14.4倍

最初のデータは新卒採用倍率。2位の法政大学までは100倍を超えており、大手民間企業と比べても遜色ないほどの人気ぶりとなっています。法政大学の学生数は10位くらい(約2.7万人)なので、民間企業風の言い方をすれば「準大手」クラス。準大手で120倍なのだから、やはり就職市場において大学業界全体の魅力が高まっていると考えてよいでしょう。(もっとも、全国780大学のトップ10なので、他大学から見れば「雲の上」の大学です)
ちなみに、「大学ランキング」は国公私立大学すべて含めてのランキングです。国立大学のトップは東京医科歯科大学で32.3倍、公立大学のトップは岩手県立大学で40.4倍となっています。

ここで注意すべき点として、国立大学は地区ごとに実施される一次試験をパスしなければ大学別の採用試験(二次試験)を受験できません。このため、国立大学の採用倍率は2次試験における数字だということで、私立大学とは計算のベースが違います。
また、細かいところを指摘するならば、国立大学の採用(独自採用を除く)には新卒・既卒の区別がありませんので、厳密には「新卒ランキング」に入れるべきではありません。

大学事務職員の採用倍率(既卒)

1.千葉商科大学 209.0倍

2.神戸女学院大学 145.6倍

3.神奈川大学 123.2倍

4.工学院大学 108.3倍

5.文京学院大学 100.0倍
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10.大東文化大学 65.0倍
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20.名古屋女子大学 19.6倍

中途採用の倍率では1位の千葉商科大学が200倍を超えてきました。なお、別の年度のランキング(大学ランキング2015)では、4位の東京経済大学までが200倍超えとなっております。全般的に2016年度よりも2015年度のランキングの方が明らかに高倍率となっているため、ただの偶然なのか、何か他の要素があるのか、そのあたりが気になります。

また、上記の採用倍率(新卒・既卒)と、後述する自校出身者比率は、採用数5名以上の大学のみを集計対象としています。もしも採用数が1名または若干名という大学を加えれば、かなりランキングは変動するものと思われます。

新規採用者数

1.筑波大学 47名

2.東北大学 46名

3.昭和大学 45名

4.日本大学 44名

5.東北福祉大学 43名
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10.東京大学 36名
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20.山形大学、東海大学、同志社女子大学 28名
——————————————
32.大阪大学、長崎大学、神戸学院大学 23名

新規採用者数は国立大学が上位にランクインしています。また、3位が昭和大学、4位が日本大学となっており、やはり病院職員の採用が多いということでしょう。

なお、「大学ランキング」では特に説明がありませんが、おそらく上記の数字は専任以外の雇用形態も含まれているものと思われます。というのも、1位の筑波大学が47名となっておりますが、同大学の平成28年度の採用予定者数は17名(27年度は15名)であり、かなり数字に開きがあるためです。その他の大学に関しても、専任職員の採用者数とは思えません。(ということは、採用倍率のデータに関しても専任職員以外が含まれているのでしょうか?詳細不明ですが、数字の意味合いが全く変わってきてしまうので、ぜひ注釈を充実させていただきたいところです)

自校出身者比率

1.跡見学園女子大学、創価大学、同志社大学 100.0%

4.専修大学 87.5%

5.広島大学、関西大学、京都女子大学 83.3%
——————————————
11.同志社女子大学、名古屋外国語大学 78.6%
——————————————
20.愛知淑徳大学 61.9%
——————————————
29.信州大学、関西学院大学 52.6%

2016年ランキングでは1位(100.0%)に3校が並びました。創価大学は2015年ランキングでも1位(100.0%)となっています。一方で同志社大学は2015年ランキングでは33位(62.5%)となっており、年度によってかなりバラツキが感じられます。

自校出身者比率は、採用倍率より圧倒的に重要な数字です。というのも、実力さえあれば高倍率を勝ち抜くことができますが、自校出身者比率が高い大学においては、実力以前の段階で勝負が決してしまうからです。
29位の関西学院大学でも5割を超えていることから判断すれば、私立大学における自校出身者の優位性は明らかと言えるでしょう。
もっとも、大学数の少ない地域・地方においては、自校優遇とは別の理由、すなわち生活通勤圏の問題から、結果として自校出身者の比率が高まるという事情はありえることと思われます。

国立大学に関しては筆記試験が重視されますし、また、自校出身者が応募してこないような大学もありますので、出身大学による有利不利は意識しなくてよいでしょう。5位に広島大学(83.3%)が入っていますが、おそらく広島県庁と併願受験する広大生が多いのだと思われます。

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