大学事務局の組織と業務 ~獨協大学の事例を中心に~

大学事務局の組織とその業務は、大学業界未経験者にとっては馴染みの薄いものかと思います。たとえば、奨学金の受付事務を学生部が行っていることは事務分掌としては一般的ですが、ご自身で実際に奨学金を利用したことのない方にとっては、エッと思うことかもしれません。

そこで今回、獨協大学のサイトに部署名及びその説明、さらに、事務部署ごとの専任職員数が掲載されておりましたので、引用を中心に、適宜説明を加えていきたいと思います。(カッコ内は専任職員数です)

獨協大学 事務局業務概要 (2016 年4月 1 日現在、各業務は例示)
総合企画部 総合企画課(8名)
大学の基本計画に係わる立案・調査・資料収集、周年事業、官公庁・私立大学連盟その他関係機関に係わる調査報告および視察、大学広報(大学ホームページ、大学ニュース等)、父母懇談会等に係わる業務
⇒大学事務局のコントロールタワーであり企画系「何でも屋」。獨協大学は広報部が独立していないようですが、ホームページ管理は通常は広報部、また、父母懇談会は学友部や総務部が一般的に担当します。

自己点検・評価室 事務課(2名)
自己点検・評価、機関別認証評価、FD活動、授業評価アンケート、教育環境改善アンケートに係わる業務
⇒期間別認証評価は法令で義務付けられた外部評価であり、7年に1度実施しなくてはなりません。それへの対応のために専従部署を設置しつつ、認証評価の実施年度以外はFD活動(ファカルティ・ディベロップメント)を担当しているようです。

総務部 総務課(3名)+部長1、次長1
大学行事の企画運営、教授会等の庶務、文書・諸規程に係わる管理、外来者の受付渉外に係わる業務
⇒大学行事の企画運営とは、おそらく入学式や卒業式のことでしょう。どこの大学にも分厚い規則集(学則とか、委員会ごとの規程とかいろいろ)がありますが、その管理も行っているようです。部長・次長を除けば3名のようですが、この人数で教授会まで回しているのは驚きです。

総務部 人事課(7名)
教職員の採用・異動・研修および給与・福利厚生に係わる業務
⇒まさに部署名どおりの業務内容です。なお、事務的に教員の採用等も行っていますが、教員の人事権は実質的に教学組織(学部等)が持つのが一般的です。

経理部 会計課(4名)+部長1、次長1
大学資金・財務管理、予算・決算業務、授業料納付、金銭の出納、寄付金に係わる業務
⇒まさに部署名どおりの業務内容です。

施設事業部 施設事業課(5名)+部長1
施設設備の計画立案、キャンパス・マスタープランの策定に係わる業務。大学の資産管理、機器備品・用品の購入および管理、施設設備の維持管理に係わる業務
⇒民間企業では総務部が担当するような仕事ですが、大学にとって施設は重要な学生サービスの一部であるため、専従部署が置かれるのが一般的です。また、伝統校では校舎の老朽化や耐震補強なども重要な課題です。

施設事業部 情報基盤整備課(5名)
情報ネットワークおよび事務システムの情報基盤の構築。情報セキュリティ、情報事務システムのサポートおよび管理
⇒まさに部署名どおりの業務内容です。おそらく技術的にはIT企業から派遣されたSEさんに依存しています。

教務部 教務課(29名)
学部学生の履修登録・授業・試験・成績に係わる庶務、学籍に係わる庶務、各種講座の庶務、また、教職、司書・司書教諭の履修および免許取得に係わる業務
⇒学生の授業・試験などを一手に引き受ける部署で、どの大学でも最も多くの人数を充てています。履修登録を行う4月や、定期試験の時期、卒業判定の時期などが繁忙期となります。

大学院事務室 事務課(4名)+部長1
大学院生、法科大学院生の履修登録・授業・試験・成績に係わる業務
⇒業務内容は教務課と同じです。

学生部 学生課(7名)
学生証・学割証・住所・奨学金等の学生生活全般に係わる業務
学生部 カウンセリング・センター
学生のカウンセリング、ワークショップの企画・実施に係わる業務
学生部 敬和館
敬和館(女子寮)の運営・管理に係わる業務
⇒学籍の管理や奨学金事務が主業務となります。また、学生からのよろず相談を受け付けるのも学生部の仕事です。

入試部 入試課(9名)
入試および関連業務(入試広報、入試説明会・高校訪問)の企画・実施、入試資料の整理等に係わる業務
⇒まさに部署名どおりの業務内容です。2月の入試本番時期以外は、高校訪問や入試説明会などPR活動を行っています。

保健センター 事務課(5名)
教職員・学生の健康管理および救急処置に係わる業務
⇒まさに部署名どおりの業務内容です。事務組織の規模のわりに人数が多いのは、もしかしたら看護師が含まれているからかもしれません。

学友会 総務部長室事務課(4名)
学生の課外活動に対する支援業務(学内利用の受付・相談・表彰等)
⇒クラブ・サークル活動や学園祭などのサポートを行うための部署かと思われます。このための専従部署を設けている点は特徴的で、他大学では学生部や総務部の担当であることが一般的です。

キャリアセンター 事務課(8名)+次長1
企業等の求人情報・OB等からの情報収集と提供・管理、就職相談やガイダンス、各種講座の実施に係わる業務
⇒いわゆる就職課であり、その名のとおりの業務内容です。

図書館 事務課(17名)+次長1
図書・視聴覚資料の購入・保管・利用に係わる業務、図書情報システムの維持管理・利用者サービスに係わる業務
⇒まさに部署名どおりの業務内容です。専任職員が管理職を含めて18名もいるというのは、この規模の大学としては非常に多いように感じます。あまり業務委託を活用していないのかもしれません。

教育研究支援センター 教育研究支援課(7名)+次長1
学習支援システムの運用、外国語教育支援に関する業務。各種講座の運営に関する業務。
⇒学生の「学び」をサポートするための部署で、どこの大学でも近年力を入れてきています。

教育研究支援センター 教育研究推進課(6名)
本学研究所の運営事務、研究支援。教育および研究支援にかかわる情報収集業務。
⇒外部研究資金の申請や、研究費の管理などが中心かと思われます。

国際交流センター 事務課(5名)
国際交流協定校の開拓・協定の変更、学生・教員交流の庶務、外国人客員教員受入れ、国際共同研究の庶務、インターナショナルフォーラムの実施に係わる業務
⇒まさに部署名どおりの業務内容です。

エクステンションセンター 事務課(5名)
オープンカレッジの企画立案・実施、各種講座・オープンスクールをはじめとする生涯学習・授業外学習の企画立案・実施に係わる業務
⇒「エクステンションセンター」とは、大学が運営するカルチャーセンターのようなものです。大学にとっては副収入源として期待したいところですが、実際のところ収支の帳尻を合わせるだけでも大変です。

以上、獨協大学の事例を参考に大学事務組織に関する説明を加えてきましたが、獨協大学は専任職員数が151名(2016年5月時点)で、私立大学の中では中堅どころです。事務職員の人数が限られているため、あまり部署を細分化できないという事情がうかがえます。小規模の大学ではその傾向が一層強いでしょうし、逆に大手の大学では広報や寄付金に専従の部署が置かれます。

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