首都圏大学における派遣賃金が急降下中

2018年問題を間近にひかえ、各大学は経営力の強化に取り組んでいる。経営力とはすなわち財務余力のことであり、財務余力を確保するための効果的かつ安直な方法が人件費の削減。労働組合に守られる専任教職員の給与はそう容易く下げることができず、そのツケは派遣職員に回っていく。その派遣職員の時給がここ最近顕著に下がっており、そのあたりが今回のお題。例によってご関心があれば続きをお読みあれ。


まずは下のランキングをご覧あれ。6月10日時点の首都圏及び関西圏の私立大学における派遣職員の給与ランキング。

紹介予定&派遣求人給与ランキング(6月10日)
1800円:早稲田大学(紹介予定)
1600円:東京国際大学
1600円:早稲田大学(紹介予定)
1540円:中央大学
1500円:女子美術大学
1470円:武蔵野美術大学
1470円:日本女子大学
1440円:早稲田大学
1420円:早稲田大学
1400円:東京電機大学
1400円:聖路加国際大学
1300円:法政大学(紹介予定)
1290円:慶應義塾
1200円:早稲田大学(紹介予定)
1200円:同志社
1200円:立命館


上のランキングを見てすぐに気づくことが2点。
まず、早稲田大学が派遣職員の賃金を職種ごとに設定しているということ。これは全員一律の賃金テーブルが設定されている専任の教職員にはありえないこと。賃金の低い仕事は労働者の母数が大きいため、賃金を削っても応募者は確保できるという意図かと。
もう一つが、首都圏大学の派遣賃金の下限が、全般的に関西圏と同額にまで落ち込んできたということ。
半年ほど前までは、首都圏と関西圏では時間給ベースで最低でも200円程度の開きがあり、もちろん首都圏大学の方が賃金水準が上だった。首都圏の賃金が他地域を圧倒しているのは他の業種でも同様であり、地域間の賃金格差そのものは不思議でもなんでもない。首都圏は住居費が高いため、賃金が多少高くても可処分所得が増えないという前提があるためだ。
この状況がここ数ヶ月で急変し、当初は最も時給を高く設定していた早稲田大学が、OA事務の派遣賃金をついに1200円に設定した。月収例は1日6.25時間勤務で156000円。多少なりとも事務経験が求められるのに、新卒専任の給与をはるかに下回る賃金設定。
1200円という金額は関西圏の同志社や立命館と同じ。関西学院はこれより多少賃金が高めだったはず。
おそらく今後、他大学もこの動きに追随すると思われ、賃金の低下が人材の質の低下を招くのは必至。このツケがどこに回るのか、事務室のカウンターを超えて学生にまで波及しないか不安を感じる。
という感じでつらつら書きつつ、次回もよろしくお願いします。
[お知らせ]大学職員公募情報は下記URLに移転しました
http://daigaku.shokuin.com/

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