国立大学って役職ごとに給与の差が大きいんだなぁと思った件

文部科学省は6月30日、国立大学を含む文科省関連団体の給与水準(H26年度)を発表した。国立大学職員の給与は大手・中堅クラスの私立大学に比べれば低めであり、今回開示された情報をもとに所感などを書き綴ってみることに。例によってご関心があれば続きをお読みあれ。

今回のネタ元はこちら。

文部科学省所管独立行政法人、国立大学法人等及び特殊法人の役員の報酬等及び職員の給与の水準(平成26年度)の公表について
(国立大学法人のみ)
http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/27/06/attach/1359357.htm
(全体版)
http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/27/06/attach/1359354.htm

文部科学省が給与水準を発表した国立大学法人は86法人。うち、82法人が国立大学、4法人が大学院大学となっている。国立大学が82校あるというのは、大学職員として頭に入っていてもいい知識かも。
国立大学の給与の基本的な考え方として、彼らは公務員ではないため、大学ごとに給与規則を持っているし、労使交渉も行っている。このあたりは私立大学となんら変わりない。
ただし、東京大学の報告書によれば「人件費の状況や情勢適用の原則等を総合的に勘案したうえで、国の給与法を重要な参考資料として給与改定を実施している」となっている。
「情勢適用の原則」とは公務員給与の基本的な考え方で、一般社会の水準とズレないように給与を設定するということ。また、「国の給与法を重要な参考資料として」とあるのは、おそらく国家公務員の給与水準を超えないようにという意図かと思われる。
こうした事情から、国立大学職員の給与は、大手中堅クラスの私立大学に比べると低め、ということになる。
では、東京大学のデータをもとに、しばし分析にお付き合いあれ。
まずは事務・技術系職員の平均データから。

人数:1595人
平均年齢:43.7歳
平均給与:6,513千円
うち所定内給与:4,877千円(うち通勤手当175千円)
うち賞与:1,636千円

事務職員の人数はさすが東大で、私大大手の早稲田大学の2倍といったところ。平均給与に関しても、高給取りと騒がれている私立大学に比べれば大きな驚きも無い。ちなみに私立大学の給与の状況はこちらの記事をご覧あれ。
お次は年齢ごとの賃金カーブに関するグラフ。
平均をとると800万円くらいで給与は頭打ちになる模様。

tdai1.png

最後に役職ごとの平均賃金に関する表。文字が読みづらい点はお許しあれ。

tdai2.png

これがなかなか驚きのデータで、国立大学って役職ごとの賃金差が大きいことに気づく。
例えば、部長級の給与は平均年齢55.6歳で1100万円なのに対して、副課長級の給与は平均年齢54.3歳で767万円となっている。
ほぼ同じ年齢の職員に関して年収差が300万以上となっており、わずか1%の部長級まで出世できれば、私立大学と遜色の無い給与を得られるようだ。
もっともプロパーから部長級に出世できる可能性はさらに低いと思われ、プロパーの労働意欲を喚起するには、文科省からの出向者をいかに抑えるかが課題だろう。

ちなみに、国立大学の給与水準が低いのは一般の教職員だけであって、役員報酬は私立大学を上回っている。
東京大学のデータによれば、法人の長(総長)の報酬は2351万円、理事の報酬は1600万~1900万といったところ。
この金額について東京大学は、「本学の規模に相当する民間企業の役員報酬は4,662万円であり、これに比べて総長の報酬は約2分の1となっている。」としている。
事務職員の給与は公務員ベースなのに、なんで役員報酬は大手民間企業と比較するの?と激しくツッコミたくなる。
という感じでつらつら書きつつ、次回もよろしくお願いします。

Share on FacebookShare on Google+Tweet about this on TwitterShare on LinkedIn